知られざる腸の病気「SIBO」とは-小腸内の細菌が異常増殖

 お腹の調子が悪いという悩みで受診される患者さんは比較的多い。内科で精密検査を受け、異常がない場合、心療内科に紹介される。以前は、過敏性大腸炎として診断治療を行ってきたが、小腸にも病気があることがわかってきた。お腹の張りや痛みがあり、小腸内に腸内細菌の異常増殖があり、小腸内にガスが異常発生する病気である。これが小腸内細菌異常増殖(SIBO)である。

 通常、約1万個の腸内細菌が生息しているが、なんらかの原因で10万個以上異常増殖する。細菌の過剰な増殖によって多量のメタンガスが腹部を圧迫することで、さまざまな症状が発生する。例えば、お腹が張る、ゲップが異常に出る、胃酸の逆流、下痢と便秘の繰り返し、など。水素ガスが多いと下痢になりやすく、メタンガスが多いと、便秘になりやすい。

 原因としては、①ストレスと疲れによって、自律神経が乱れ、小腸の動きが悪くなること、②長期間、胃薬を飲み続け、胃薬の効果が弱くなり、胃酸が少なくなり、小腸の腸内細胞が増えやすい環境になること、③食物繊維や発酵食品をとりすぎると、腸の細菌が増えすぎること、などが考えられる。

治療としては、炭水化物や食物繊維を過剰に食べている方は控え目にとることが望ましい。下痢や便秘があって、検査をうけても異常が見つからない場合、SIBOの可能性があり、食事療法で症状の緩和をはかることが一番よい方法と思われます。

 保険外の検査では、糖分を摂取したあとに、吐いた息のガス分析を行い、それが、メタンガスあるいは水素かを検査することで鑑別できる診断法があります(専門医による)。

 いずれにしても、これまで小腸に対して、注目されることは少なかったが、今後、腹部の不定愁訴を有する患者さん対して、大腸と同様に、小腸にも機能的な異常がある可能性を十分に考慮して、診療を行う必要性があるようだ。(2026年3月5日 佐藤 武)

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