遊びと発達障害
小中高大社会人と成長していく中で、人と関わる機会が増えていく。
今、人との関わりを苦手とする多くの方が受診している。典型的な診断カテゴリーに当てはめると、「自閉症スペクトラム障害」に該当するのかもしれない。
対人関係を苦手とし長年引き籠っていた方に「どうして」「どうすれば」と尋ねてみた。「話し相手がいない、最初にどう話しかけたらよいかわからない。」「そういう場に行けばいいが、機会がない」と返答した。居場所がなく、家から離れる機会がないとの事だった。
自宅を離れ、人と交流しながら軽作業を行うA型作業所やB型作業所を利用されている方は少なくない。わずかではあるが収入を得て、人との関係を少しずつ構築し、仲間意識がもてるようになった人もいる。環境を変えることで、人は何歳になっても成長していく可能性を持っている。みんな本音では、成長して独り立ちしたい。自分らしく生きていきたいと思っている方は多いのではないかと思う。
キーワードは「話し相手ができること」「居場所をみつけること」の2点が大切な秘訣。なるべく早い時期に、そのような環境で暮らしていくことが回復の道となる可能性がある。
私の子ども時代を振り返ると、人と交わることに抵抗を感じる人は、ほとんどいなかったような気がする。それは現代のようにゲームなどオンラインで顔を合わせずに遊ぶのではなく、みんなと公園や川、海、野原など自然の中で遊んでいた。遊びの中で人と関わる感覚を無意識に習得し、言葉、技術、集団性を学んでいたのかもしれない。楽しかった。
遊びに関して、人間は進化どころか、ますます退化しているのではないか。
精神科の病の理由はわからないが、今の子ども達の遊び方に疑問を抱くのは、私一人だろうか。(2026年2月9日 佐藤 武)
